人・仕事を知る

越前和紙の新たな価値を発信する。
写真左より
株式会社 杉原商店 社長 杉原 吉直 さま、
岡本支店 支店長 相澤 健一朗、
地域創生チーム 上席調査役 山内 誠

Special Feature
株式会社 杉原商店

伝統産業を盛り上げるのは地方銀行の使命。顧客に寄り添い、地域と行動をともにする。

手紙はSNSに。襖と障子はドアとガラス窓に。昔に比べて「和紙」を目にする機会は格段に減った。そうした現実と向き合い、様々なアプローチで「新しい和紙の形」を提案している和紙問屋が越前市にある。1871年創業の杉原商店。10代目の杉原吉直社長は「従前の需要が落ちていくなかで、新しい需要が伸びている」と話す。デザイナーから支持され、ホテルなど大型建築やインテリアに採用されるケースが増えているという。新しい需要を伸長させようと、杉原社長は築100年超の蔵を改装し、2018年2月、越前和紙の世界を伝えるギャラリーをオープンさせた。改装に際し岡本支店支店長の相澤は「地域の伝統産業を盛り上げるのは我々の使命だと思っている。それに、越前和紙には地力がある」と、全面的にバックアップした。
地域の代表的な伝統産業である越前和紙の振興は、福井銀行にとっても重要な意味を持つ。地域創生チームの山内は、ギャラリーオープンとほぼ同時期に「越前和紙産地振興プロジェクト」を開始した。メンバーには杉原社長や越前和紙の生産者をはじめ、県、市、様々な関係者らが名を連ねる。「目指すのは商品ではなく、産地そのもののブランド化」と、山内は一丸となって取り組む意義を語る。需要の変化に即した対応と地域の絆が、伝統産業の未来を拓く。

会社概要

株式会社 杉原商店
〒915-0235 福井県越前市不老町17-2

1871(明治4)年創業の老舗和紙問屋。越前和紙を漆コーティングした「漆和紙(うるわし)」の製造や、越前和紙を壁紙に使用するなど、新たな越前和紙の可能性を開発・発信し続けている。2018年2月、築100年超の土蔵を改装しギャラリー「和紙屋」オープン。伝統の和紙の古き良き姿、現在のエッセンスを取り入れたインテリア素材としての和紙を提示し、建築関係を中心に評判を呼んでいる。

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