現金を使用せずに支払いや受取りを行うことを、「キャッシュレス決済」と言います。今、世界はこの「キャッシュレス」へと大きく舵を切っています。
理由は、無駄を省いて効率化を進めるため。経済活動を円滑にして、より豊かな社会を目指すという流れなのです。
なんと、お隣の韓国では、国の主導でキャッシュレス化が急速に進み、2015年には決済の89.1%がキャッシュレスとなっています。(資料1)
単に現金を使用しないだけでなく、その先のサービスも登場しています。中国では取引決済をするアプリから、タクシーやホテルの予約、映画チケットの購入、病院の予約などをすることもできます。
アメリカでは、レジのないコンビニも登場しています。商品をバッグに入れてそのまま店を出るだけで、支払いは終了しているというから驚きです。
世界的にはキャッシュレスが当たり前のことになりつつあり、これを前提とした新しいサービスや買い物の方法が生まれているのです。
2016年11月、インドで高額紙幣の1000ルピーと500ルピー紙幣が突然廃止されました。
中国ではスマホ利用者のほとんどがモバイル決済を利用。
小規模な店舗での支払いはもちろん、個人間の送金にも手軽に使われています。
スウェーデンは銀行主体でキャッシュレス化が図られており、ほとんどの銀行窓口で現金のやりとりができません。
個人店での少額の買い物も、クレジットカードやデビットカードで行われています。
一方で、日本は世界からかなり遅れをとっています。まずキャッシュレスそのものが、決済全体のうち18.4%と、いまだ生活の中に浸透しているとは言えません。(資料2)
これは治安が良いため現金を持ち歩いても安全な環境であることや、偽札が少なく現金への信頼度が高いという社会情勢があるようです。
これに加えて「浪費しそう」「お金のありがたみが薄れる」といった日本人ならではの感覚や、キャッシュレスへの苦手意識を持っている人が、まだ多いのかもしれません。
キャッシュレスがどんどん進む世界と遅れをとっている日本。
そんな状況を受けてか、国は現在キャッシュレスを推進する方針を打ち出しています。
いったいなんのために、日本でもキャッシュレスを推めようとしているのでしょうか?
第2回では日本がキャッシュレスを推進する理由を新さん一家と一緒に見てみましょう。