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2021年9月に賛同した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言※1に基づき、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の1つとして「TCFDへの対応」を定め、気候変動が事業にもたらす影響を分析しております。
<サステナビリティ体制図>
サステナビリティへの対応を経営上の重要な課題であると認識し、サステナビリティに関する課題に対応するため、「サステナビリティ委員会」(以下、「委員会」)を設置しております。委員会は原則3か月に1回以上開催し、サステナビリティに関する重要事項(マテリアリティ)について議論・検討を行い、その結果を経営戦略やリスク管理に反映しております。
委員会の活動内容については、開催の都度取締役会に報告を行い、監督を受ける体制を構築しております。
また、グループ内でサステナビリティの取組みの推進・強化を図るため、組織横断的なワーキンググループとして「サステナビリティ専門部会」(以下、専門部会)を設置しております。専門部会は重要課題(マテリアリティ)毎に具体的な推進施策を企画・立案し、委員会に提言しております。
気候変動に関する機会及びリスクについて、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で定性的な分析を行っております。
分類 | 主な機会/リスク | 時間軸 | ||
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機会 | お客さま、地域への伴走型支援による持続可能な地域社会の実現に資する投融資やコンサルティングサービスの提供などのビジネス機会の増加 | 短期~長期 | ||
気候変動に対する適切な取組みと開示による企業価値の向上 | 短期~長期 | |||
リスク | 移行リスク | 気候変動に対する規制強化や脱炭素社会への移行に伴うコスト負担増加及び消費者行動の変化によるお客さまの業績悪化に伴う与信関連費用の増加 | 中期~長期 | |
脱炭素化などの気候変動問題に対する取組みが他社に劣後することによる企業価値の低下 | 短期~長期 | |||
物理的 リスク |
急性 リスク |
気候変動に起因する自然災害の増加により、お客さまの事業活動が中断・停滞し、業績が悪化することによる財務諸表の変化に伴う与信関連費用の増加 | 短期~長期 | |
大規模な自然災害等によりお客さまの不動産等の担保価値が毀損することによる与信関連費用の増加 | 短期~長期 | |||
当行グループ拠点の被災に伴う営業活動の中断 | 短期~長期 | |||
慢性 リスク |
平均気温の上昇や海面上昇に伴うお客さまの業績悪化、担保価値の毀損による与信関連費用の増加 | 中期~長期 |
以上2つの分析対象セクターに関して、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)のネットゼロ排出シナリオを踏まえた分析を実施し、財務への影響度を算定しております。
項目 | 内容 |
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シナリオ | IEA/NZEシナリオ(1.5℃) |
分析対象 | ①電力 ②福井県内の中小企業 |
分析手法 | 炭素税が導入された場合のお客さまの費用増加や売上減少に伴う業績悪化 |
対象期間 | 2050年まで |
分析結果 | 2022年度(福井銀行単体) | 2023年度(福井銀行単体) |
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移行リスク | 与信関連費用増加額 最大12億円 | 与信関連費用増加額 最大13億円 |
以上2つの事象について気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の代表濃度経路シナリオを踏まえた分析を実施し、財務への影響度を算定しております。
項目 | 内容 |
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シナリオ | IPCC/RCP8.5シナリオ(4℃) |
分析対象 |
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分析手法 |
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対象期間 | 2050年まで |
分析結果 | 2022年度(福井銀行単体) | 2023年度(福井銀行単体) |
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物理的リスク | 与信関連費用増加額 最大10億円 | 与信関連費用増加額 最大12億円 |
セクター | 2022年度 (福井銀行単体) |
2023年度 (福井銀行・福邦銀行合算) |
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エネルギー | 1.92% | 1.46% |
運輸 | 2.26% | 1.92% |
素材・建築物 | 12.04% | 18.38% |
農業、食料、林産物 | 1.77% | 1.58% |
合計 | 17.99% | 23.33% |
2023年度の取組内容 | |
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①お客さまの脱炭素経営支援 |
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②地域の脱炭素化及びESGの取組みを推進するための枠組み作り |
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③自社のCO2排出量削減 |
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当行グループは、気候変動に起因する移行リスク及び物理的リスクをグループ全体の事業・財務内容に影響を与える重要なリスクとして認識しております。シナリオ分析等の実施により当該リスクを識別・評価することで、信用リスク等に与える影響の程度や蓋然性を把握・分析するとともに、統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築に取り組んでおります。
また、2023年6月に制定した「Fプロジェクト サステナブル投融資方針」では、地域社会の課題解決に資する事業等に積極的な支援を行うとともに、環境や社会にネガティブな影響を与える可能性のある事業等に対しての取組方針を定め、適切に対応を行っております。
グループ目標 | 実行額累計 1兆円 |
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対象期間 | 2022年度~2031年度 |
2023年度実績 | 実行額累計2,131億円(前年度比+1,121億円) |
目標 | 2030年度までに2013年度比70%以上削減 2050年度までにネット・ゼロ |
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2013年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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Scope1 | 797 | 522 | 496 |
Scope2 | 5,240 | 2,294 | 2,200 |
計(Scope1+Scope2) | 6,038 | 2,817 | 2,697 |
2013年度からの削減率 | - | △53.3% | △55.3% |
2022年度 (福井銀行単体) |
2023年度 (福井銀行・福邦銀行合算) |
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カテゴリー6 出張 | - | 192 |
カテゴリー7 雇用者の通勤 | - | 2,762 |
カテゴリー15 投融資 (ファイナンスドエミッション) |
(※)609,752 | 1,037,282 |
(※)2022年度のファイナンスドエミッションの推計対象は事業性貸出のみ
CO2排出量(Scope3-カテゴリー15投融資(ファイナンスドエミッション))の推計
PCAFスタンダードの計測手法を参考に、事業性貸出及び政策保有株式を対象として、炭素関連セクター18業種に分類してファイナンスドエミッションの推計を行っております。
今後、お客さまとのエンゲージメントを通して、CO2排出量算定範囲の拡大やデータクオリティスコアの向上に取り組んでまいります。
セクター・業種 | 2023年度 | |||||
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炭素強度 (t-CO2/百万円) |
投融資残高(百万円) | 排出量(t-CO2) | ||||
エネルギー | 20.54 | 36,750 | 2.50% | 354,157 | 34.14% | |
石油・ガス | 0.85 | 9,485 | 0.65% | 20,626 | 1.99% | |
石炭 | - | - | 0.00% | - | 0.00% | |
電力ユーティリティ | 27.38 | 27,265 | 1.86% | 333,531 | 32.15% | |
運輸 | 1.66 | 47,207 | 3.22% | 78,077 | 7.53% | |
航空貨物 | - | - | 0.00% | - | 0.00% | |
旅客空輸 | 9.28 | 9 | 0.00% | 93 | 0.01% | |
海上輸送 | 9.78 | 1,010 | 0.07% | 4,651 | 0.45% | |
鉄道輸送 | 0.18 | 13,527 | 0.92% | 557 | 0.05% | |
トラックサービス | 2.44 | 26,489 | 1.81% | 71,042 | 6.85% | |
自動車及び部品 | 0.23 | 6,169 | 0.42% | 1,733 | 0.17% | |
素材・建築物 | 0.51 | 451,620 | 30.77% | 225,641 | 21.75% | |
金属・鉱業 | 0.88 | 17,908 | 1.22% | 14,901 | 1.44% | |
化学 | 2.13 | 36,713 | 2.50% | 72,559 | 7.00% | |
建設資材 | 8.51 | 8,241 | 0.56% | 72,965 | 7.03% | |
資本財 | 0.25 | 162,438 | 11.07% | 58,648 | 5.65% | |
不動産管理・開発 | 0.11 | 226,317 | 15.42% | 6,566 | 0.63% | |
農業・食料・林産品 | 0.92 | 39,230 | 2.67% | 30,976 | 2.99% | |
飲料 | 0.32 | 1,603 | 0.11% | 265 | 0.03% | |
農業 | 3 | 1,440 | 0.10% | 2,228 | 0.21% | |
加工食品・加工肉 | 0.51 | 23,579 | 1.61% | 12,737 | 1.23% | |
製紙・林業製品 | 1.54 | 12,606 | 0.86% | 15,745 | 1.52% | |
その他 | 1.1 | 892,688 | 60.83% | 348,428 | 33.59% | |
総計 | 1.42 | 1,467,496 | 100% | 1,037,282 | 100% |
当行グループは、福井県内で50%以上の貸出金シェアをもつ地域金融機関として、炭素関連資産の集計や投融資によるCO2排出量(ファイナンスドエミッション)の推計を通して、福井県内の地域特性や経済の特徴を定量的に把握し、当行グループの投融資がCO2排出にどの程度影響を及ぼしているかを確認しております。
また、気候変動が引き起こす可能性のあるリスクを特定し、最終的に当行グループの与信関連費用への影響額を算定することで、リスク軽減のための戦略を策定し、実行に移してまいります。